動物の「皮」を原材料としているのですが、「皮」はそのまま放置すると肉と同様に腐ってしまいます。乾燥させてみても、カチカチになるだけ。
そこで、「なめし」という工程を行い、腐らない状態にしたものを「革」といいます。
昔から人間は防寒や身体を守るものとして「革」を使い「なめし」の種類もたくさんありました。
煙でいぶす、口の中でグチャグチャ噛む、植物の汁につけてみるなど。色々な方法を用いて皮を腐らせず、かつ柔軟性を与える偉大なワザ、これを「なめし」といいます。
なめしの前の状態のものを「皮」、なめした後のものを「革」と書いて区別しています。
ちなみに、「なめし」が終わったら、工程は終了ではないんですね。
「なめし」は「皮」を腐らない「革」にした状態で、実際に商品になるまでには、さらに染色、加脂、伸ばし、塗装、仕上げ(つや出しやアイロンなど)などの工程があります。
それで、出来上がったものを、各パーツごとに裁断し、ミシンで縫製してバッグや財布になるわけです。
植物に含まれるタンニン(渋)という成分につけこんで防腐処理をすることをいいます。
具体的にはこのタンニンの中のポリフェノールが皮のコラーゲンタンパク質のアミノ酸と結合することをいいますが、皮への浸透が遅く膨大な時間がかかります。なめしだけで1ヶ月
以上かかることも。
その工程を経てできた革は表面にコーティングも塗装もされないので、キズやシワ、本来牛がもっているものがそのまま出やすいのです。
では、なぜタンニンなめしは現在まで生き残ったのか?また、なぜ表面にコーティングや塗装をしないのか?
理由のひとつとして、環境問題、つまりエコであること。廃棄物となる時に有害物質をほとんど含まないタンニンレザーは最終的には土へ還り自然へ循環されていく。
そして、人気のあるもうひとつの理由として、経年変化すること。使うほどに味わい深く変化していきますが、人によってシチュエーションによって変化の仕方に違いが出るため、自分だけの風合いとして、レザーファンの気持ちを虜にしているのでしょう。
タンニンなめしの表面をコーティンングしたり塗装をすることは、上記で説明した利点を消すことになるんですね。だから、タンニンレザーは色が落ちやすかったり、雨(水)にも弱いです。
しかし、それ以上の良い部分を愛して守ってきた。ヨーロッパなどの国々では昔から革に深く親しみ、造る人も使う人も革の本質を良く知っています。革は色が落ちてあたりまえ、そういった文化がタンニンなめしを支えていることは間違いない。
現在、最も一般的ななめし法であるクロームなめし。塩基性硫酸クロム塩(鉱物のクロムからつくった溶液)を皮の繊維状に絡まったコラーゲンと結合されることで、なめしを行う方法。
これにより皮に耐熱性などの耐久性がうまれます。
製革後の幅広い用途によっては、更に合成なめし剤やタンニン剤を使い用途に合わせて特性を与えることもあります。
タンニンなめしと比べてなめし期間が短くてすみ、経済性にも優れていることから、時代に乗って様々な新しい商品が開発されてきました。
エナメルやパールなど、原色などの発色の良い革はクロームなめし、もしくはクロームなめしとタンニンを合わせた混合なめしでつくられています。
クローム鞣しの革は表面が比較的傷付きにくく、柔らかくて軽いものをつくれるという特徴を持っています。また、濡れてもシミになり難く、弾力性に富むなどの長所もあります。
雨に強いとか、とにかく柔らかいとか、発色が良いとか、キラキラさせるとか、用途や特性にあわせてつくり易い、そしてつくれるところが良いところでしょう。
昨今、廃液の環境汚染なでの問題で生産量なども見直されている他、クロムなめし廃液を回収、再利用することにより、総排出量を減らす方法がとられています。
2種類、又はそれ以上のなめし剤を組み合わせて行われるなめしです。
一般的なのがタンニンなめし、クロームなめしの特長を組みあわせた方法でそれぞれの利点をいかして欠点を補う効果があります。
ひとつの例ですが、タンニンのもつナチュラルさを残しつつ、クロームのもつ柔軟性(柔らかい)
や発色の良さをいかした、いいとこどりな商品をつくれるわけです。